前回の処方の話でお伝えした通り、味覚障害に亜鉛で治す以外の方法で
治ることもあります。
ただ、一般的な味覚障害は亜鉛欠乏によることが多い可能性は高いとは思います。
というのも、舌の上皮細胞には亜鉛が豊富にあります。
それは亜鉛が舌の味蕾細胞(みらいさいぼう:味を感じる細胞)を
育てるのに必要な栄養素だから。
亜鉛が欠乏すると、舌乳頭が平らになり、味を感じにくくなったり
舌がピリピリするような異常感覚が生じるようになる可能性があるからです。
亜鉛は全身に作用する非常に重要なミネラルです。
60%が筋肉、20 ~30%が骨、8%が皮膚・毛髪など他にもいろいろ。
生体内の300以上の酵素反応に関与しているといわれてます。
さらに皮膚表面のタンパク質の合成に関わっています。そのため、
亜鉛欠乏になると皮膚炎や脱毛につながります。
脱毛は毛包周辺の皮膚炎が起こることで、特に頭頂部など、
刺激を受けやすい場所に多く出ることがいわれています。
時には「貧血」の原因にも。実は亜鉛も酸素を運ぶ赤血球を
増やすのに欠かせない栄養素です。特にスポーツ選手や透析患者さんでは、
亜鉛欠乏による貧血が多いことが知られています。
他にも消化器系や身長などにも影響を与える場合があることが
わかっています。
⭐️ 量は?
上限が決まっています。男女差はありますが、おおよそ40mg前後です。
⭐️ 食品は?
断然 「牡蠣」です。 他には豚レバ、南瓜の種。
⭐️ 気をつけることは?
それだけ取るのはやめてバランスよく食べるようにしてください。
他のミネラルとの摂取も大切です。
特に銅とのバランスが大事ですので気をつけてください。
褥瘡などで、皮膚がえぐれている方が再生するのに、勿論薬は使いますが
予防または改善の補助にも亜鉛と銅が重要になってきます。
食品であれば「ココア」がおすすめです。
⭐️ サプリ
ワタナベオイスターなどの牡蠣肉エキスの良質な商品がおすすめです。
⭐️ 最後に
亜鉛は重要ですが、高価なものです。
なるべく普段の食生活から摂取するように工夫してください。
また病気になってからでは、時間もお金も生活の質も犠牲になって
しまいます。それを防ぐための先行投資と考えてみるのも
1つの視点ではないでしょうか?