嘔吐と下痢を繰り返す今の胃腸の不調の症状は
「胃寒」とお伝えしました。
その状態は「寒湿困脾」証と言えると思います。
飲食物の消化吸収は「脾」と「胃」のコラボレーションにより
成立すると中医学では考えます。
脾の消化吸収、気血の輸送、代謝機能を「運化」機能と言います。
脾が元気であれば、食べ物はすぐに運化され、停滞することはない。
故に脾は乾燥していることになります。
しかし、絶えず冷たいものをとり続けることで、寒湿邪が停滞すると
脾の機能が阻害され、運化がうまく行かなくなります。
これが「寒湿困脾」証です。
その寒湿邪が消化管から上に上がろうとすることにより、上腹部に
膨満感や不快感が生じ、食欲が湧かず、胃がもたれ、吐き気、ゲップ、
腹痛などが生じます。
気が上に上り続けると、呑酸、胸の痞え、咳、たん、動機、味覚の
鈍化、頭重感が見られます。
湿邪が下に降りると、軟便、下痢、水様便が見られます。
湿邪は重く滞る性質があり、脾は五行で言うと「肌肉」を司るため
疲労倦怠感、手足が重だるいなどの症状も現れる可能性があります。
組織内に湿邪がたまり、浮腫が見られる可能性もあります。
膀胱機能が低下すると、尿量が減ることもあります。
これらに対応するには
「運脾化湿」
脾の運化機能を立て直し、寒湿邪を取り除くことが重要です。
よく用いられる生薬として
カッコウ、蒼朮、厚朴、白朮、半夏、茯苓、猪苓、薏苡仁、白扁豆などが
あります。
処方として
胃苓湯、カッコウ正気散(勝湿課粒)、参苓白朮散(健脾散)などがあります。
詳しくは店頭にてご相談ください